ことあるごとに薄毛の心配…自信のなかった私が結婚まで出来た増毛の力とは

営業職として約20年働いてきた彼は、企業・個人問わず、金融業界で多数の顧客を相手にしてきたバリバリの営業マン。終始にこやかで、人当たりの良い人物だ。彼に会った人は、口をそろえて「人柄のいい男性だ」と言うだろう。

そんな彼は、過去に薄毛という悩みで頭を抱えていた。そして、薄毛対策でウィッグをつけ始めた。ウィッグをしていることを、彼の奥さんは知らないという。

家族でさえも気付かない、自然なウィッグに出会えるまでの紆余曲折な彼のストーリーとは?

「なぜ薄毛に?」自問自答の日々と地獄の飲み会

子どもと遊ぶ男性

私は幼少期から、毛量が少なくて猫っ毛だった。また、父親もおじいちゃんも薄毛だった。遺伝して薄毛になることは、ある程度覚悟していたが、大学時代には薄毛の傾向がはっきり現れてショックだった。「いくら何でも、ちょっと早すぎやしないだろうか?」と、到底素直にその事実を受け入れることはできなかった。

遺伝という要素以外に、原因らしい原因はない。煙草は吸っていないし、酒も付き合いでたしなむ程度。夜遊びもそれほど多くない。不摂生もしていなかった。髪を染めたりパーマをかけたりしたこともない。「なぜ薄毛になるんだ」とよく自問自答していた。

苦痛だったのが友人との付き合いだ。飲み会で「薄いんじゃない?」「将来、禿げちゃうんじゃない?」と言われることも度々あった。

ビールで乾杯

酔っ払った勢いで、男の先輩に頭を触られることもしばしば。笑ってごまかしていたが、触られるのはすごく抵抗があった。飲み会の幹事に任命された時は、出席を断ることもできない。「薄毛をまたイジられるんだろうな…」と思うと、飲み会に行くのが嫌で嫌でたまらなかった。

そういう生活を送るうちに、朝から晩まで薄毛が気になって仕方なかった。海に誘われても、髪が濡れるのが心配で嫌だった。ことあるごとに薄毛の心配。薄毛がこんなにたくさんの悩みにつながるとは予想だにしなかった。

ウィッグで増毛するも…妥協の7年間

悩む男性と矢印

人に接触したくない。まわりの目を気にしないで、外で活発に動きたい。モテたい。

誰にも相談できず、頭の中で色んなことをグルグル考える間にも、髪は容赦なく薄くなっていく。心のどこかで「20代なのにこんなに薄毛で…」という気恥ずかしさもあった。

とうとう我慢できなくなって、20代後半に、ウィッグメーカーのZ社に足を運んだ。

Z社では、地毛に毛材を結びつける「結毛」という増毛からスタートした。見た目の毛量が増え、これで薄毛の悩みは解消されたか…と喜ぶのもつかの間だった。薄毛は進行し、結毛では薄毛をカバーできなくなってきたのだろう。「ウィッグにしましょう」とZ社のスタッフに勧められ、ウィッグへの利用に切り替えた。

しかし、そのウィッグは全て人工毛。見た目の自然さはほとんどなかった。それでもムースなどを使って、懸命に自然な髪の毛を目指した。

その甲斐もあってか、まわりから、あからさまにウィッグを指摘されることはなかった。

結局、Z社には約10年お世話になった。しかし、通う度に新製品の営業ばかり受けてうんざりした。製品自体も安いわけではなく、金銭的にもどんどん苦しくなった。

何より苦痛だったのは、値段が張るにもかかわらず、製品の質が期待を下回るものだったことだ。気分の上がるものではなく、「まぁ、こんな感じだよな」と自分で勝手に妥協している感触が強かった。結論を言えば、Z社は失敗だった。

求めていた増毛の「自然さ」を手に入れられるメーカー

複雑な迷路

30を過ぎたあたりから、いつの間にか、Z社の他にいいメーカーはないか探すようになった。

Z社のウィッグの人工感を解消するような、より自然なウィッグ。そんなものが存在するのかどうか分からなかったが、とにかく探した。

そうするうちに、あるウィッグメーカーのX社に行き当たった。地毛にウィッグを編み込むという一風変わった手法を行っていて、興味が湧いた。もっと色々知りたくて、資料請求をしたら、X社から複数回にわたって手紙や電話をもらった。そんなやり取りをするうちに背中を押され、X社の店に話を聞きに行った。

地毛に編み込むウィッグは資料のイメージどおりで、料金体系も明快だった。Z社のように、押し売り営業というスタンスではなく、ざっくばらんに話ができた。最初から、一歩踏み込んで信頼関係を築けたと思う。

後は早かった。X社とすぐ契約し、Z社のウィッグと付け替える。付け替えに5、6時間かかってしまい、スタッフに申し訳ない気持ちでいっぱいになった。しかし、仕上がりを見て、色んな気持ちが吹っ飛んだ。人工毛ではなく人毛を採用したX社のウィッグ。これが予想以上に良い出来で嬉しかった。

このウィッグを使い始めてから、あっという間に気持ちが前向きになった。家に帰宅してあらためて鏡を見ても「これはいいぞ!」と感動が胸にわき起こった。いい意味で予想を裏切られた。

メーカーを変えてみて良かった!結婚まですることに

バットにかかったキャップ

メーカーを変えて良かったと思うような効果もすぐ現れた。趣味の草野球をしていても、Z社のカツラだともう1つ帽子を被っているような違和感があったが…X社の増毛法は、帽子を脱ぐ時に自然な着脱感を感じられた。やはり、地毛と編み込んでいるためズレない・取れないという安心感が大きいのだろう。こんな感覚は学生時代以来だ。

精神的なストレスも軽減され、飲み会を断る回数も減り、人付き合いが増えていった。そうして、会社の同僚の紹介で知り合った彼女と40歳のときに結婚した。

私は、X社の増毛に頼らずに、彼女と交際や結婚に発展したとは到底考えられない。Z社の不自然なウィッグでも危なかったかもしれない。きっと、自分の髪に自信が持てず、二の足を踏んでいたことだろう。

実は私は、ウィッグをつけている事実を、結婚した彼女に一切教えていない。いつの日か、この秘密を告白するのにきっとふさわしいタイミングが訪れるだろう。これは、もうしばらくは私の唯一の秘密だ。

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