たった1回しか使用しないカツラなんて。我が増毛の挽回日記

カジュアルな服をオシャレに着こなし、ハキハキと答える姿が印象的だ。

もうすぐ定年を迎えるそうだが、見た目も心も若々しい。

増毛をしたからこそ、手にしたものはたくさんあるが

その裏には夫婦の絆と一度の失敗がある。

だからこそ、考えるのは卒業のこと。

「一区切りしたら思い切ってやめるのもいいかな」

増毛を決めたときと同じように

自分のペースで生きていくための選択を

今もなお、しっかりと考えている胸の内を聞いた。

LIFE

薄毛がもたらす外見と内面

薄毛を自覚したのは30歳になる少し前のことだった。鏡や写真を見て、おでこがM字に後退していると気付いた。すぐに育毛剤などで対策をしたが効果を感じることはない。改善されないまま進行した。

すると、何をするにしてもパッとしない。服を着るのもそうだった。仕事上ではそこまで気にならないものの老けて見られるし、このままでは結婚できないかもしれない。そんな思いがよぎるほど、本当にパッとしないと感じていた。

薄毛

期待を胸に、大手メーカーに相談へ

そんなとき「今から、いろいろあるんだから考えたら」と、同僚に言われた。それが増毛への後押しになった。当時はCMなどもたくさん流れていたし、見ている限りでは「すべてが解決する」というイメージが残っていた。だから、その期待も込めて大手メーカーに行ったのだ。

すると着脱式のカツラを勧められた。それも「消耗品だからスペアも」と複数セットだ。とても高価だったが「何とかしたい」という思いはあったので、「これで解決するならいいや」とその日のうちに決断した。でも、その後が辛かった。

店舗でつけてもらったときは「それなりにいいかな」と感じたが、家に帰って自分でつけてみるとしっくりこない。自分はうまく出来ないので、問い合わせようかとも思ったが、店員の対応は「製品が売れればいいのかな」という商売的な態度だ。相談も出来そうもないし、根本的な悩みの解決にはならないだろうとも感じていた。

だから結局、カツラをつけたのは1回のみ。会社にもどこかに出かけることもなかった。お金の無駄遣いだ。

財布

諦めきれなかった薄毛対策、再び増毛チャレンジ

それでも、仕事は忙しく、ストレスも遺伝もある。薄毛になる要素がいろいろと重なっている中「身なりがきちんと出来るなら」と、ずっと思っていたから、雑誌広告に乗っていた編み込みタイプの増毛に目がいった。

これなら「日々の煩わしさが月1回のメンテナンスで解決する」。そう考えて、話を聞きに行った。最初は気づかなかったが、驚いたことに担当してくれたスタッフは愛用者だった。写真を見せてもらう以外にも、実際に触らせてもらうこともでき、何より丁寧に説明をしてくれた。さらに「無理をせずに、これが良かったら次に進んでください」と言ってくれたことも、決め手につながった。

実際に増毛をすると、もともと短くしていたこともあって毛量に違和感を感じたが、すぐに馴染んだ。普通に生活出来るようになったし、今まで気にしていたことが気にならなくなっていた。

周囲が受け入れてくれることの快感

それにこのときは周囲にも「変身してくる」とカミングアウトしていた。「若くなったね」「自然だね」と言ってくれるのはうれしいことだった。だが実は、妻には増毛のことは伝えていない。もしかしたら気付いているかもしれないが、触れてこないのだ。私たち夫婦の間には「ファッションに関しては自由だから」という暗黙の了解があり、この状態が自然なのだ。

仲間

もちろん、最低限のルールはあるが、認め合っている。服を選ぶのは自分だし、それが変だと思っても、お互いに言わないし干渉はしない。

だからこそ、今後のことは考える。今や同年代は白髪もまじり、薄くなっていくが私はまだまだしっかりしたものだ。以前とは逆転した状況で気持ちの余裕も感じるので、今後も自分のペースで増毛を続けられるならそれがベストだ。一方、仕事が一区切りするときに「思い切ってやめる」という選択をしてもいいかなとも考えている。仕事を引退した時に、これまで守ってくれたものの力が必要かどうか。これからじっくりと考えていきたい。

シェアする
いいね!1つ星 1
読み込み中...