ハゲをキャラクターにする器なんて持てない…増毛で「陰」から「陽」の人生へ。

ひまわり

増毛を考えたのは「社会に出ることがきっかけ」だったと言う。

営業という職業柄、見た目が気になったことに加えて、「薄毛であることをキャラクターにできる器がなかった」と教えてくれた。20代半ばの青年が、コンプレックスを自分の武器にするのは難しい。だからこそ、増毛を選んだのだ。

以降、彼の世界は一転する。

増毛前は友人の誘いを断り続け、悩めば悩むほど「陰」に入っていた自分が、カツラを手にしたことで、「陽」になった。

それから長い月日が流れ、仕事も順調。愛妻と子どもたちに恵まれて過ごす今の思いを、聞いた。

20歳からまさかの薄毛に…

薄毛が気になり出したのは20歳のころだ。シャンプーをすると、手に尋常じゃないほど抜け毛がついていた。

頭頂部から薄くなっていたが、当時は大学生で、周囲に薄毛の人があまりいなかったから気になったし、友達にも「だいぶ薄くなってきたな」と言われ始めると、余計に気になった。

一度、気になると神経質にもなっていく。もともとは体を動かすのも外出も嫌いではなかったが、出不精になり、友達からの海や温泉の誘いも断る始末だ。”うつ”まではいかなくとも「陰」に入っていた。悩めば悩むほど「陰」に入り、それが本当につらかったのをよく覚えている。

うなだれる

ハゲをキャラクターにする器

なにか対策をしようと育毛剤や美容室でのヘッドスパも体験したが、効果は感じられなかった。そこで増毛を決意した。ちょうど就職をするタイミングで、営業職に就くことが決まっていたことも、きっかけだった。

営業職だからこそ、見た目は気になるものだ。ただ、同時に「印象はついたもの勝ち」という側面もある。「髪が薄い人」という印象になっても、それをカバーできるキャラクターの持ち主だっているのだ。職場の先輩が、まさにそのタイプで、若いころからハゲていたが、それを一つの武器にしていた。

でも…あのころの自分には、それが出来なかった。

歓喜

小学生時代、モテたことも影響しているのだろうか。当時、クラスの中心的存在ではなかったら、薄毛であることも「強み」にしながら「オレは昔からこういう人生なんだ」と受け入れることも出来たかもしれない。でも自分は違った。

「髪の毛が薄い自分は許せない」という気持ちが強かったし、それがプライドとして残っているのだろう。薄毛であることをキャラクターにできる「器量」が、そのころの自分にはなかったのだ。

ネットでの評判が決め手に

だからこそ、費用に関しては両親に相談したが、増毛を決めたのだ。両親は自分が悩んでいることを分かっていたから、反対はしなかった。そんな両親の支えがあったが、増毛は高価だ。事前にネットなどで情報収集をたくさんしてみると、マイナーで怪しいが評判の良いメーカーを見つけた。加えて、そこはスポーツライター・小林信也さんの「カツラーの秘密」という記事でも紹介されており、信憑性の高さが決定打になった。

実際に店舗で製品を見てみると「コレだったら想像していたのと相違はない」と思ったし、愛用しているスタッフさんの言葉は、説得力もあった。

握手するサラリーマン

だが、実際につけてみると、最初は圧迫感を感じた。締め付けられる感じがして「取りたいな」と思ったほどだ。それでも、1ヶ月くらい経ったら、いつの間にか慣れていたし、何より髪が薄いことを気にしなくなっていた。

ときどき、髪の毛の量が多くて「ヘアスタイル、変えた?」と言われることはあったものの、それがカツラを指していることなのかは分からなかったし、環境が変わる時期を選んだので、カミングアウトをしない限りは、誰にも分からないだろう。両親も「全然分からない」と言ってくれている。

「陰」から「陽」へ

カツラをつけて約20年。改めて思うのは、カツラは、女性の化粧に似ているということだ。「すっぴんでは出掛けられない」という女性は多いと思うが、それに近い。「化粧をして出掛けるのか、すっぴんで出掛けるのか」。カツラは、まさにそういうものだ。

白を基調とした化粧台

それに、ときどき考える。30歳で結婚し、子どもにも恵まれたが、もし、増毛をしていなかったら、家族を持っていなかったかもしれない。今とは全く違う人生を送っていた可能性だってあるのだ。

それでも一つ、はっきりしているのは「陰」が「陽」になったこと。それは間違いない。昔なら断っていたであろう川遊びや、子どもたちが大好きなBBQを一緒に、思い切り楽しめる日常を送っている。だから、増毛をして良かったと、心から思う毎日なのだ。

シェアする
いいね!1つ星 0
読み込み中...

NEW新着記事