壮絶な薄毛対策の過去。決断。そして心の解放へ。

森のなかの男性

20代のころは、薄毛が気になるあまり、さまざまな方法で髪の毛を復活させようと試みた。硬いブラシで血が出るほど頭を叩き、皮膚を持ち上げるヘッドギアも使ったこともあった。

それでも薄毛は進行する。次第に消極的になり、外出もしなくなったと言う。

そんなとき、職場で言われた一言が、突き刺さった。

「あなた、病気なんじゃない?」

そこで、増毛を決意した。悩みに悩み、お金も時間も掛けた後、行き詰まったゆえの思いだった。数社での体験は決して良いものではなかったが、縁のあるメーカーと出会いで、悩みは吹き飛び、心境も一変する。

「一時期は自分が嫌いだったけど、今の自分は好き。カツラは体の一部だから、やめることは考えられないよ」

嬉しそうな笑顔が浮かんだ。編み込み式のカツラで取り戻した、大好きな自分。その気持ちがアクティブな毎日を支えている。

壮絶な薄毛対策の過去

自分が薄毛だなと意識したのは25歳ごろだった。きっかけは些細なことだが、以前、頭部にケガをして前頭部に薄い部分が分かるようになってきたからだ。それまではボリュームがあって分からなかった。でも、いつの間にか毛が細くなり、全体的にボリュームが無くなったように感じた。

当時は仕事も不規則だったので、それが原因だったかもしれない。そんな自分を親父が心配してくれて、いろいろと対策グッズを持ってきてくれた。だが、これが一筋縄ではいかなかった。たとえば、中国産の育毛剤。固いブラシとのセットで、頭皮を血が出るまで叩くといいと書いてあったから、1日に何千回も叩いたことがあった。

頭を歯車に置き換えた男性

毛生え薬は偽物でかゆくなってしまうし、空気圧で頭の皮膚を持ち上げるようなヘッドギアを使ってみたこともあったが、これも効果はなかった。

「病気」と指摘されるまでに追い込まれ

いろいろと試す期間は2年位に及んだが、進行は止まらずに、薄毛の面積が増えていく。真ん中がなくなる感じで、27歳ごろには相当薄かった。そこで、飲み薬を試すものの、これも偽物で、副作用からやる気もなくなり、体調不良に陥ってしまうこともあったほどだ。

それでも、なんとかしたかった。

頭をかかえ悩む男性

ちょうど、そのころは友人たちが結婚していく時期で、自分も適齢期になっているのに、薄毛が原因で自信が持てず、出会いに対する恐怖感も芽生えていた。そうしたこともあって、なんとか髪を取り戻そうと、さまざまな方法を試みたが効かなかったし、治らなかった。

すると悩みはどんどん強くなる。さらに、追い打ちをかける出来事があった。転職先でお客様から「あなたは若いけど病気じゃない?」と言われたのだ。その一言は、とてもショックだった。

時間もお金もかけたが、薄毛は治らない。でもカツラには抵抗がある。仕事柄、金具のあるタイプも使えないと感じていたから、一歩を踏み出せなかった。毎日のように悩んで、迷って、そして行き詰まった。

頭を抱え暗い部屋で悩む男性

「契約することが前提の相談」って…

そこでふと、増毛の扉を叩いてみようと思った。もともと「何事もチャレンジしよう」という性格だ。悩みの打開策としてカツラをつける方法もありなのかもしれないと、説明だけでも聞きに行った。

最初は大手メーカー。通された部屋に大きな鏡がついていた。自分の薄さが嫌でも目につき、まるで「決断しろ」と言われているようだった。次に別の大手に行ってみる。そこは、CMで無料体験が出来ると謳っていたが、契約が前提でないと出来ないと言われてしまう。費用も高く「TV広告代も乗っかっている」とまで言われ、本気で行ったのに帰ってきた。

増毛に必要なのは、自分の決断

しかし、これが幸いしたのかもしれない。最後に行ったメーカーは、編み込みタイプのカツラで金具がついていなかった。職業上の希望もマッチするし、修繕をしてくれるシステムもありがたかった。バックアップ体制がユーザー思いな会社だと感じたことも決め手になった。

実際に見た製品も良い。着脱しないのは便利そうで、つけたまま寝たり、洗髪もできる。そこで、試着させてもらってみると、かぶっただけだったが、鏡を見て「コレだ!」と感じて、即決した。求めていた自分の姿が鏡の中にあったし、これまでの悩みも一発で解決する。

カツラに抵抗はあったものの、増毛に必要なのは、自分の決断だけだったと知った瞬間だった。

実際に増毛して、会社でもすぐにカミングアウトした。噂はまたたく間に広がって、最初こそ「どうなってるの?」などと聞かれたが、3日目には収まった。一言で言えば「つけたもの勝ち」。見た目が自然だから言わないと分からないだろうが、正々堂々とつけてみたことが良かったのだろう。打ち明けたほうが理解を得やすいと感じるから、今でも「今日はカツラのメンテの日なんだ」と言っている。それに、社内で知らない人から相談されることも増えた。私がつけてから、社内に増毛した人が増えたようにも思っている。

もちろん、心境にも変化もあった。外出が好きなのに、薄毛が進行した時点で消極的になっていた。人目も気になるし、新しい洋服を買いたいけれど、頭が気になってウキウキしなかった。それが、増毛後に一新した。つけたら蘇ったのだ。

大好きなスキューバダイビングも飛び込みも出来る。ハードな仕事だけではなく、アクティブに使えることが嬉しいし、母が喜んでくれたことも大きなことだった。

スキューバダイビングを楽しむ様子

悩みの95%の要因からの解放

こんなふうに薄毛の悩みから開放され、何より心が軽くなった。一時期は悩みの95%くらいを占めていて、朝起きて鏡を見ては、ため息をついていた日々が嘘のようだ。以前は自分のことも嫌いだったが、今は悩みがゼロだし、自分のことも好きになった。そういう思いは、勢いや元気の源になる。実年齢よりも若く見られるから、活動的になるし、挑戦する気持ちも湧いてくる。

そうして20年ほど、カツラを愛用しているが、ハードな仕事に耐えてくれるし、今はもう、体の一部みたいだ。だから、増毛をやめる選択肢は今のところ考えていない。自分が一番好きな髪型でいられることは大きいし、この姿で、アクティブな毎日をこれからも過ごしていきたいと考えている。

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