薄毛だった先輩がカツラで出社…増毛デビューへのきっかけは憧れの人

現在60代後半の彼は、約40年前、貿易手続きの仕事にたずさわる一方、薄毛の進行に悩んでいた。

そしてある日、同じように薄毛だった先輩が突然、カツラで出社したことに衝撃を受け、自身も増毛を決意する。

今回は、彼が増毛に憧れ、振り回され、そしてカツラとともにしてきた半生に迫る。

三兄弟そろって薄毛。遺伝の影響を身に染みて感じた20代

サラリーマンのイラスト

私は三人兄弟の末っ子。兄たち二人も、私と同じように薄毛だ。次男は私ほど薄くはないが、年の離れた長男は薄毛だ。母方のおじが薄毛で、兄弟そろって隔世遺伝の影響を受けたようだ。

私の薄毛は頭頂部から始まった。20代後半から小さな薄毛が日に日に広がり、髪の間から頭皮が透けて見えるようになった。薄毛が目立たないよう、髪をセットするのに苦労した記憶がある。

薄毛が進行してくると、まわりに「薄くなったなぁ」とチクチク言われることもあった。人の視線も嫌だった。

自分で鏡を見ていても頭部が気になって仕方なかったが、育毛剤には頼らなかった。しかし、そうこうしているうちにも薄毛は進み、海へ遊びに行って頭が濡れると薄毛がくっきり分かり、隠すのが大変だったのを覚えている。

薄毛だった先輩がカツラをして出社してきた日

はてなマークの箱男

そうしてある日、思いもよらぬ出来事が起きた。それは突然だった。家にも遊びに行かせてもらうほど仲のいい先輩が、カツラをつけて出社した。

事前に話を聞いておらず、不意のことで驚いた。それと同時に、薄毛という同じコンプレックスを抱えていたであろう先輩の心情や、カツラをつけたい気持ちが痛いほど分かった。

先輩の頭を見ているうちに、私のなかに「あぁ、いいな…」とうらやましさが生まれた。先輩はもう、薄毛を隠す必要も、悩む必要もないのだ。

その後の行動は早かった。先輩から、そのカツラはZ社のものであると聞いた。「私もつける」と先輩に宣言し、同じメーカーのものをつけることにした。当時は30代前半。

会社や取引先では、私の薄毛は周知の事実で受け入れられていた。薄毛のことを深刻に悩む必要はなかった。

それでもカツラをつけたのは、ただただ自分自身が、薄毛が気になって仕方なかったからだ。ごく自然な成り行きだったと思う。

先輩の影響を受けてカツラデビューしてみたら

ドライヤーで髪を乾かしている男性

結論から言えば、カツラを選んだのは正解だった。“普通”の見た目を手に入れることができた。「こうなったらいいな」と長く思っていた願いが、叶えられたのだ。

カツラをつけた後も、精神的に悩む必要がほとんどなかった。カツラの先輩の存在があったから、照れくさいという感覚もあまりなかった。

とはいえ、まわりに「黒色になった」と突然言われた。初めはその「黒色」が頭部のことを指摘したのか、肌が日焼けしたと言いたいのか判然としなかった。今振り返ると、あれは頭のことを指摘していたのだろう。

しかし、Z社でトラブルが起きた。Z社は当時、強気の商売をしていた。私もカツラのメンテナンスに行く度に、新しい製品の営業をされた。うんざりして「やめてくれ」とクレームを入れたら、逆に向こうが怒ってきた。殿様商売のZ社は天狗になっているのではないかと感じ、別のメーカーに行こうと決意した。

新しい増毛メーカーと出会い、半生を共にして

新聞を読む男性

ちょうどその時、新聞広告を見て、設立まもないカツラメーカーを見つけた。Z社のような金具で頭につけるカツラではなく、地毛に編み込むタイプのカツラであることも興味をそそられた。

このメーカーに相談しに行って、編み込みタイプのこのカツラを試してみた。最初のうちこそやや重かったが、年々、技術の進歩とともに軽くなり、より自然な見た目になった。今や30年以上愛用している。私の人生に欠かせないアイテムだ。

今はもう70歳手前。薄毛で悩んだことが遠い昔のことに思える。薄毛の状態で撮った写真を見返すと、「あぁ…」と恥ずかしい気持ちすら芽生える。

二人の兄は、私が増毛したことを知っている。つけて報告した時には「そうなんだー」とアッサリしたものだった。私から彼らに、カツラを無理強いすることはない。生き方は人それぞれだ。やりたいようにやればいい。

70周年

私自身は、数年後、70歳になったらカツラを卒業しようかと頭の片隅で考えている。

あるいはメーカーのスタッフ次第だ。私は、このメーカーで勤務するNさんという方に長年担当してもらっている。Nさんが違う店舗に異動したら、遠くてもその店舗まで足を運んでいる。Nさんが退職したら、私もカツラから卒業するかもしれない。

いずれにせよ、どんな形であっても私と半生をともにしたカツラとお別れが近づいていることは間違いない。それも少しさびしい気がする。それほどまでに、「あって当たり前のもの」だったのだなぁと今になって思う。


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