70歳をこえてから増毛デビューしてみた結果…

御年82歳。明朗活発。そんな言葉がよく似合う。

「年齢相応の楽しみ方だよ」と笑いながら、友人たちと楽しむ3ヶ月に一度のテニス合宿の話を聞かせてくれた。夏は海水浴、冬はスキーと多趣味でアクティブ。

そんな日常を支えている秘訣について尋ねてみると、「増毛だよ」なんて教えてくれた。薄毛に関して友人からの何気ない言葉や髪が薄くなっていく劣等感を抱えていたが、「増毛してからそれも全部なくなった」と笑う。

いくつになっても、明るく元気に。言葉の節々に、とても生き生きと、毎日を楽しんでいる様子を感じることができた。

「頭のてっぺんが薄い」と気付いたときの不安と拒絶

「スキー、硬式テニス、ゴルフ、山登り……」

現在も続けている趣味は、たくさんある。夏には海水浴も楽しむし、硬式テニスは、会社のOBたちと作ったチームで3ヶ月に一度は合宿にも行っている。アクティブというと聞こえはいいが、年齢相応に活動しているだけだ。

もともと体を動かすのは嫌いじゃない。82歳を迎えた今も、それは変わらない。

24歳で上京し、それからずっと製油工場に勤めていた。40歳半ばで部署が変わり、定年退職を迎えた数年後、自分の頭のてっぺんが薄くなっているのを感じはじめた。自分の性格からして、その状態は許せたものではなく、とても嫌なことだった。

薄毛になやむ男性

「親父はかっこいい髪型だけど、てっぺんは薄いな」と、まだ幼い頃に思ったことがある。だから、自分も薄毛になってきたことを「遺伝だろう」と感じたが、このまま放置して、真ん中部分が薄くなっていくのか、範囲がどんどん広がっていくのか、不安は募っていった。

増毛しているスタッフと出会って

会社の友人にも「ずいぶんてっぺんが薄くなってきたな」「前から見たら薄くなっているぞ」…。そんなふうに言われることもあった。自分では分かっていても、言われると嫌な気持ちになったし、カチンときた。

70歳になってから、「何とかしよう」といくつかの育毛剤も試したが、根本的な解決にならず、効果を感じることもできずに、面倒もあって長続きはしなかった。

そんな時、ふと目にしたのは、増毛の新聞広告。それはどうやら金具式のカツラではなく、地毛と製品を編み込むものだという。自分と同じような症状でも、「増毛したら、こんなふうに変わるんだ」という写真を目にして、心が動いた。

「編み込みだから、髪も洗えるし水泳もできる。これまでどおりの普通の生活ができる」。

写真を見る男性

すぐに話しを聞きに行くと、男性スタッフが2枚の写真を見せてくれた。1枚は、薄毛の状態の写真。もう1枚は、増毛して髪型がキマっている姿の写真。なんと、男性スタッフ自身も増毛をしていたのだ。その変わりように驚き、目の前にいる彼をあらためて見つめた。最初は増毛しているなんて、全く気が付かなかった。「こんなに自然で格好良くなれるのか!」と、更にびっくりしたのを今も鮮明に覚えている。

普段どおりの生活ができるということ

そうして、編み込み式のカツラをつけるようになった。地毛を活かした方法ということもあり、とても自然だ。どこがカツラでどこが地毛なのか分からないくらいに馴染んでくれる。その技術に感服しながら、気付けば、薄くなったと感じた時のショックや悲観的な気持ちが全部解消されていた。

水泳もシャワーも浴びることもできる。いつもどおりの生活ができることで、気持ちの面でも満足感が強くなった。何より、劣等感がなくなっていた。

白髪と黒髪の配合も絶妙だ。知り合いや友人に話したことはないが、誰からも「どうしたの?」と聞かれることはない。年齢とともに薄くなるものであっても、「その傾向がないな」とも「変だ」とも言われない。ナチュラルに見てくれていると感じている。

「増毛の価値」とは

道を歩く男性

以前の自分は心を痛めたが、彼らからすれば何気なく「薄くなった」と言っていたのだろう。髪の毛が薄くなることに気づいても、増えていくことには、みな関心がないのだと気付く。

だからこそ、今、いろんなスポーツを思いきり楽しむことができる。決して安い買い物ではないが、年を重ねても、好きなことをできる喜びは、何モノにも代えがたい。

70歳を過ぎてからの増毛だが、薄毛へのストレスもなくなり、大満足だ。妻を亡くした寂しさの中で、身だしなみを整えようと、前を向けるようになったのも大きかった。心が軽くなり、普段通りの生活や運動ができることに価値がある。

いくつになっても、何かをはじめるのは遅くない。一歩を踏み出せば、そこにかけがえのない価値がある。私は、あらためてそう思うのだ。