脱毛症の原因はひとつじゃない?種類と症状について解説

月刊誌、WEBサイトの編集を経てフリーランスとして活動。スポーツを中心に教育関連や企業PRなどの制作・運営に携わっています。屋外の取材が多く、髪の日焼けやパサつきが気になりつつも「髪コト」に参加するようになって、日々のケア方法などを実践するように。最近はヘッドスパにハマる中、みんなの人生を豊かにするよう記事づくりをしていけたらと思います。

脱毛症とはどんな病気?   

手の平の上で抜け毛が散乱している様子

「朝起きたら枕に大量の髪の毛がついていた」

「鏡を見たら小さなハゲができていた…」

ある日突然、多くの髪の毛が抜けてしまったり、頭皮が見えているのを発見すると「どうしたんだろう」「脱毛症では?」と不安になるものです。しかし、一言に「脱毛症」と言っても、その症状や原因はさまざまで、治り方も人それぞれに異なります。

そんな脱毛症とは、一体どのような疾患なのでしょうか。育毛専門家の井上先生監修のもと、詳しく見ていきます。 

国際毛髪皮膚科学研究所 所長 井上哲夫
国際毛髪皮膚科学研究所 所長
井上哲夫(いのうえ てつお)
1952年、東京生まれ。東京理科大学卒業後、総合化粧品メーカーに入社。ヘアケア・スキンケア商品の研究開発部長を経て、国際毛髪皮膚科学研究所を設立。東洋医学を美と健康に応用する「脱毛ケア」「頭皮ケア」のオーソリティとして、現在までに全国各地のがん診療拠点病院及び7000店以上の理美容店、その他各種医療セミナーで講演・指導実績を持つ。 育毛研究25年・専門分野に取材多数。
https://www.irihass.com/

【資格】
生活習慣病予防指導士(日本ホリスティック医学協会認定)、医療機器販売・賃貸管理者及び修理業責任技術者、コスメコンシェルジュ(一般社団法人日本化粧品検定協会認定)

脱毛症は3つの種類に分けられる

脱毛症は、大きく分けると毛が抜け落ちる「毛の脱落」、太く長かった元気な毛が細く短い毛に変わってしまう「軟毛化」、質が弱くとても切れやすい「脆弱性によるもの」の3種類に分類されます。

脱毛症の3種類
①毛の脱落
②軟毛化
③脆弱性によるもの

 

俗に「10円ハゲ」と言われたり、全身にも症状がおよぶ場合もある円形脱毛症などは「毛の脱落」、男性ホルモンや遺伝が原因とされるAGA=男性型脱毛症は「軟毛化」といったように、分かれているのです。

AGA(男性型脱毛症)」が代表的

一般的にAGA(男性型脱毛症)は、脱毛症の代表的な症状として知られるようになりました。しかし、AGAの場合は、髪の毛が抜け落ちるのではなく、太く長い毛が細く短くなってしまう軟毛化によって全体的な頭髪が少なく感じ、脱毛症とされるのです。

AGAを発症すると、うぶ毛のような毛が増えたり、抜け毛が徐々に増えておでこが後退したりと、じわじわと進行していくのも特徴と言えます。

「毛の脱落」による脱毛症の原因について   

側頭部の髪の毛を抑える手の写真

AGAのように原因や対策の情報が増えつつある一方で、毛が抜け落ちてしまう脱毛症の原因や治療法は知られていない場合も多いでしょう。

実は毛の脱落による脱毛症は種類が多く、一見するだけでは判断が難しいのです。では実際に、どのような原因で、どのような症状が表れるのかを見ていきます。

円形脱毛症

円形脱毛症は、円や楕円の脱毛斑がいきなり出てくるものです。

円形脱毛症の多くは、免疫系の機能に異常が生じる自己免疫疾患が原因とされており、年代や性別を問わず、幼少期や若年層でも起こってしまう疾患とされています。そのため、ある日突然、頭皮の地肌が見えたり、脱毛斑が大きくなったりする場合は円形脱毛症を疑い、早めに受診しましょう。

円形脱毛症の5種類のイメージイラスト(単発型・多発型・蛇行型・全頭型・汎発型)

一般的には10円玉サイズの脱毛斑が現れる単発型が知られており、その約80%は治癒すると言われていますが、脱毛斑が複数現れる多発型に進行する場合もあるので注意が必要です。さらに頭部全体、眉毛やまつげなどを含む全身の体毛が抜けてしまう汎発型などは、長期的な治療を伴います。

皮膚エリテマトーデス

エリテマトーデスは、獣に噛まれたような赤い斑ができる症状のことを指します。これも自己免疫疾患が主な原因とされていますが、この症状が皮膚に現れるのが皮膚エリテマトーデスで、毛の生える皮膚に発症することで毛が抜けていき、脱毛症を引き起こすのです。

左右対称に紅斑が発生したり、全身症状になることがあり、日光に当たることも症状を進行させることがあります。

特に、毛髪の場合は斑状に抜ける傾向があります。頭皮や頬などに赤い斑点が見られたら、医師による診察・処方を受けましょう。

ホルモンの不均衡

女性に起こる症状で、いわゆる「男性化」がこれにあたります。一般的な原因は多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と言われていますが、男性ホルモンが過剰に増えることで頭髪が抜けたり、筋肉質になったりと体に変化が出てくるのです。ストレス状態によっても男性ホルモン過多になることがあります。

こちらも放っておくと悪化する恐れがあるため、医師の診察を受けましょう。

薬剤(化学療法薬による脱毛)

運動能力を高めるためなどタンパク同化ステロイドなどの化学療法薬で、成長期脱毛が起こる場合があります。その他にも、ニキビ治療や甲状腺治療の薬剤(処方薬を含む)が原因となって、100本以上の抜け毛が起きる休止期脱毛となってしまうこともあるのです。

薬剤による脱毛症は髪質が変わるようなことはあっても、一時的なものが多く、基本的には元に戻ることが多いのも特徴と言えます。

栄養障害

栄養素ごとに分類されたイラスト

ビタミンAの過剰や鉄、亜鉛の欠乏症による栄養障害も脱毛の原因となります。その症状は栄養障害によって違いますが、髪の毛に吸収される栄養が少なくなるため、脱毛や断毛が起こるのです。髪の毛は、ケラチンというたんぱく質が90%ぐらい含まれますので、たんぱく質を適切にとることも大切です。

毛が痩せ細り、つやがなくなっていく症例が見られますが、その原因を自己判断せずにかかりつけ医に相談しましょう。栄養障害だった場合は、的確な医師の指導が必要です。

頭部白癬(しらくも)

頭部白癬(しらくも)は、主に幼い子どもに見られる真菌感染症で、感染力が強く流行することもある病気です。楕円形に髪の毛が抜けていき、頭髪にフケのような細かい鱗屑がみられる症状が出ます。

頭部白癬を発症すると髪の毛が折れやすく、抜けやすくなるのです。放っておくと周囲に伝染するばかりか、永久的に毛が生えなくなる可能性もあるので、早めに病院へ行きましょう。

牽引性脱毛症

ポニーテールのヘアアレンジをしている最中の女性の姿

ポニーテールなどのヘアアレンジの際に髪の毛を引っ張ることがありますが、これが原因で脱毛症が発症することがあります。それが、牽引性脱毛症です。

前頭部や側頭部の生え際に脱毛症状が生じる疾患ですが、自ら気づき、防げることも多いので、鏡などでこまめにチェックすると良いでしょう。また、痛いと感じたり、無理に引っ張っているような感覚があったら、力加減を見直すことで対策もできます。

身体的ストレス

脱毛の原因として挙げられることが多いのがストレスで、身体的なストレスによって引き起こされる脱毛症もあります。

高熱や手術、体重の減少、妊娠などが原因で、体毛が休止期の状態で抜けていってしまうのですが、そのほとんどが一時的なものとされています。しかし、過度なストレスを受けてから数か月後に抜けていくので、原因を思い返しながら、医師のカウンセリングを受けることが望ましいでしょう。

精神的ストレス(トリコチロマニア)   

そして、精神的なストレスもさまざまな脱毛症を招く要因とされています。その中でも抜毛症と呼ばれる行為は、深刻な症状になる可能性があります。

抜毛症は主に子どもに見られますが、自分で髪の毛をねじったり、いじったりしながら、引き抜いてしまうのです。何気なくやっている行為なので周囲に気づかれにくく、誤診や困惑を招くこともあると言われています。

周囲が注意深く観察することも必要で、抜毛症と診断されたら、しっかりと精神療法を受け、無意識な行動を治していく訓練が必要となるでしょう。対策として、薄手の手袋をすることも一つの方法です。                

こういう場合は医師の診察を

医師による診察イメージ画像

ここまで見てきたように脱毛症は、さまざまな発症例があり、その原因も一つではありません。同時に、一過性で治ることもあるため、受診のタイミングを見極めるのも難しいものです。

しかし、放っておくと悪化して手遅れになる可能性もあるので、脱毛症の徴候を感じたら早めに診察を受けましょう。

身体に兆候が見られる

脱毛が起こる部位が全身に渡る場合や斑状に抜けていく場合、皮膚が赤くなる兆候がでたら、医師の診察が必要です。特に全身の場合は中毒症状の可能性もあるので、早急に対応しましょう。

また、女性は妊娠・出産、ダイエットなどの生活スタイルの変化やホルモンバランスが変わることで脱毛する場合もあります。声が低くなる、月経不順が起きるほか、乳房の萎縮、筋肉量の増加といった男性的な特徴が現れたら、すぐに受診してください。

受診のタイミングについて

脱毛や全身の病気が疑われるときは、速やかに医師の診察を受けましょう。「まだ脱毛部が小さい」「すぐに治る」などと考えてと放っておくと、気づかないうちに悪化し、永久的に毛が生えなくなる場合もあるのです。

また、男性化の特徴が出ている女性も、症状を隠さずに主治医などに相談して診察を受けましょう。早期の対応が、脱毛症ケアの第一歩にもなるのです。

AGA(男性型脱毛症)であればカバーする方法も

髪の毛を気にする男性が鏡に映る姿

もし脱毛による薄毛の原因がAGA(男性型脱毛症)であれば、「カバーする対策」がおすすめです。ここからは「カバーする対策」について、ご紹介します。

日本皮膚科学会のガイドラインより

AGAによる脱毛で治療の他に有効な手段として挙げられるのが増毛(ウィッグ)です。

ウィッグの使用は日本皮膚科学会の男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017 年版でも、髪が薄い状態で通常の治療によりAGAが改善しない場合やQOLが低下している場合に行っても良い、とされています。

大事なのはウィッグの装着方法

ウィッグにはいくつか種類がありますが、大事なのはライフスタイルに合わせて装着方法を選ぶということです。

金具や両面テープを使用する「着脱式」が一般的でしたが、取れる心配や常に消耗を気にして使用しなければならないといった不安がつきまといます。

また、最近は全面的に粘着剤で頭皮に張り付けるウィッグ「貼付式」もあります。頭皮を透過するベースで出来ており自然な風合いが売りではありますが、髪を剃る前提での使用となり、頭皮への負担が大きくなりがちなため、「使用し続ける」には慣れと覚悟が必要になります。

スヴェンソンの編み込み式増毛によるビフォーアフター写真

そんな中で一考したいのが、「編み込み式」。代表格はスヴェンソンの編み込み式増毛法です。上記写真はスヴェンソンの編み込み式増毛によるビフォーアフターで、地毛にウィッグを編み込むことで不意に取れてしまうような心配を無くします。さらに、消耗の不安を解消する「定額制」を展開しており、「自然に使い続ける」にはとても良いバランスの製品になっています。

スヴェンソンの編み込み式増毛(ウィッグ)についてもっと詳しく知りたい・資料を見てみたいという方は以下からご確認ください。

 

また、スヴェンソンは円形脱毛症の方のためのウィッグも提供しています。円形脱毛症の方向けのウィッグ提供について詳しく知りたいという方は、コチラからご覧ください。

いずれにしても、ウィッグを使用して「かえって気になる」という状態になっては本末転倒です。見た目を解消することは当然ですが、自分の体の一部として、自然にご自身の生活に溶け込めるものを選ぶようにしましょう。

参考文献
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/17-皮膚の病気 / 毛髪の病気 / 脱毛症(脱毛)
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa11/q03.html#table1%0A%0A%E8%A1%A8%E3%82%92%E5%8F%82%E7%85%A7%0A
https://newspark.jp/contents/20171003m_ippan_sankei-osaka/
https://medicalnote.jp/diseases/AGA?utm_campaign=AGA_%E6%A6%82%E8%A6%81&utm_medium=ydd&utm_source=yahoo#%E6%A6%82%E8%A6%81
https://www.aga-clinic.com/column/aga-early-symptoms/
https://www.enkei-datsumou.com/enkei/
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https://www.dermatol.or.jp/qa/qa7/s2_q05.html
https://www.hospita.jp/disease/4053/
https://www.aderans.co.jp/corporate/rd/docter-about04.html
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa10/q32.html
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/プロフェッショナル/14-皮膚疾患 / 皮膚真菌感染症 / 頭部白癬
https://challenged.ahc-net.co.jp/library/trichotillomania/
https://www.aderans.co.jp/kamiwaza/usuge_kiso_chishiki/cause_female_hair_loss/
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