前頭部の薄毛の悩みは解決できる?手でおでこの広さを測ってみよう

鏡で前髪を見る度に気になって仕方ない、前頭部の薄毛。一度薄毛が進行すると、毎朝憂鬱な気持ちで額(おでこ)の広さをチェックしてしまいますよね。

今回は「おでこが広くなってきた」「剃り込みがなんだか深くなってきた」と感じ始めた方や周囲に前頭部が薄毛の人がいて、早めに予防したいと思っている方のために、M字部分の薄毛の対処法を紹介します。

国際毛髪皮膚科学研究所 所長 井上哲夫
国際毛髪皮膚科学研究所 所長
井上哲夫(いのうえ てつお)
1952年、東京生まれ。東京理科大学卒業後、総合化粧品メーカーに入社。ヘアケア・スキンケア商品の研究開発部長を経て、国際毛髪皮膚科学研究所を設立。東洋医学を美と健康に応用する「脱毛ケア」「頭皮ケア」のオーソリティとして、現在までに全国各地のがん診療拠点病院及び7000店以上の理美容店、その他各種医療セミナーで講演・指導実績を持つ。 育毛研究25年・専門分野に取材多数。
https://www.irihass.com/

【資格】
生活習慣病予防指導士(日本ホリスティック医学協会認定)、医療機器販売・賃貸管理者及び修理業責任技術者、コスメコンシェルジュ(一般社団法人日本化粧品検定協会認定)

前頭部(おでこ)の毛が薄いと思ったら!

前髪をかき上げた男性のおでこのアップ写真

前頭部は、頭頂部とともに薄毛が進行しやすい部位です。額の左右の薄毛が進行すると、前頭部の頭髪がまるでMの字に似た形になるため「M字ハゲ」とも呼ばれます。その兆候が現れたら、一体どうすればいいのでしょうか。

前頭部の薄毛(M字ハゲ)の特徴やサインは?

前頭部の薄毛あるいはM字ハゲの特徴は、とにかく「おでこの広さや剃り込みの深さ」に尽きます。

おでこの広さとは「前頭部の髪の生え際から眉毛まで」を指します。広ければ広いほど「前頭部の薄毛が進行している」と自他ともに考えるでしょう。

アンファー株式会社が2018年7月25日に発表した「ニッポン薄毛の意識度大調査」の結果では、47都道府県の男性、計2350人(20~60代まで年代別にそれぞれ470名)にアンケートを取ったところ、「おでこの広さが何センチ以上だと薄毛だと思うか?」との問いに対し、20〜30代は6センチ以上(31%)と回答した人が最も多かったのです。次いで多かったのが7センチ以上(30%)でした。

この調査から考えるに、おでこの広さが6〜7センチ以上あると、一般的に「おでこが広い」と認識される確率が高そうです。

M字ハゲの傾向がある方も「中央が6センチ未満だからいいでしょ!?」と判断するのではなく、薄毛が進行している部分を基準に考えてみましょう。

通常のおでこの広さとは?

では、おでこの「通常の広さ」はどれくらいでしょうか。アンファー社の調査に沿えば、平均6〜7センチ未満。この範囲内であれば「おでこが広い」と見なされる確率は低くなる傾向だと言えそうです。

自分のおでこの広さを認識する方法として、手の平が使えます。個人差はあるものの、おおよそ手の指4本分で6〜7センチなので、おでこに手の平を当てて比べてみましょう。眉毛の上から前頭部の髪の生え際まですっぽり隠れれば、通常の広さの範囲内と呼べるでしょう。

手の平以外に、千円紙幣も使えます。千円紙幣の横幅は約7.6センチ。当ててみて、おでこのほうが広いようであれば、すっぽり収まる、あるいはそれ以上に広いようであれば、周囲に「おでこが広い」と思われる可能性があるでしょう。

前頭部(おでこ)の薄毛の正体は!?

前頭部の髪(薄毛)を気にする男性の写真

おでこが6〜7センチ以上あると、おでこが広くて前頭部の薄毛に見られがちだとお伝えしました。しかし一つだけ付け加えると、おでこの広さ以上に重要なのは毛量の変化です。

おでこは父母や祖父母の遺伝も相まって、幼少期から広い人は少なくありません。例えば10歳の頃からおでこの広さが7センチあり、20年後30年後も同じ7センチをキープしているなら、薄毛が進行しているとは断定できません。むしろ、成長に合わせて頭が大きくなっていると考えれば、健やかな毛髪環境かもしれません。

逆に、10歳の頃は5センチの広さだったのに、年々6センチ7センチと広がり、ついには8センチ以上の広さになって「頭皮が張っている」「脂性っぽい」「前髪が突然抜ける」という人のほうが要注意です。これこそ「前頭部の脱毛が進行した薄毛状態」だと言えます。

それでは、前頭部で進行する薄毛の正体は何なのしょうか。

AGAの可能性が大。AGAでない場合も

前頭部の薄毛やM字ハゲのほとんどは、ずばりAGA(男性型脱毛症)です。前頭部から頭頂部にかけての脱毛を特長とし、30〜50代の男性に多く見られる脱毛症です。AGAの対象者は、全国に1260万人いると考えられています。AGAになる要因の7〜8割は男性ホルモンや遺伝、2〜3割は生活環境だと言われています。

とはいえ、AGAが原因ではないケースもあります。

たとえば、脂漏性皮膚炎です。皮脂が過剰に分泌されて、頭皮にマラセチア菌というカビ(真菌)が大量発生し、炎症が起きて脱毛に至るケースがあります。ストレスに起因することの多い円形脱毛症が、前頭部に発生しているケースも考えられます。

また、前頭部は自分の手が届きやすい範囲です。自身で毛を抜いてしまうクセは抜毛症と呼ばれ、これもまたストレスに起因し、子供から大人まで発症する可能性があります。

一般人には判別しにくいので、AGAクリニックなど専門機関へ一度相談するのが良いでしょう。

前頭部の部分はAGAが現れやすい部位である

とはいえ前頭部は、AGAの症状が現れやすい箇所です。気になりはじめたら、AGAから疑ってみましょう。

AGAそのものを根本的に改善するには、AGAクリニックや皮膚科で診察や検査を受けて治療することになります。

前頭部の薄毛に有効な対策

薄毛対策を講じるイメージ 「CHANGE」の文字写真

前頭部の薄毛対策は、AGA治療や生活習慣の改善などが考えられます。いずれも内容を理解するだけではなく、あなた自身の行動・実践が大切です。

AGA治療

AGA治療で最もポピュラーなものは、国に承認された医薬品による治療です。「フィナステリド」や「デュタステリド」などの飲み薬、「ミノキシジル」などの塗り薬がそれに該当します。主に、皮膚科やAGAクリニックで処方されます。

AGA治療は原則、健康保険の適用外です。薬も通院費も含めて全額自己負担であるという認識を持ちましょう。

AGAクリニックで治療を受ける場合、以下の3つの治療法が考えられます。

①医師が処方する飲み薬や塗り薬による治療
②髪の成長因子として知られる「グロースファクター」を頭皮へ直接注入する毛髪再生医療
③側頭部や後頭部の健康な自毛をAGAが発症する部位へ植毛する手法

 

薬はいくつか種類がある分費用の幅が広く、プロペシアは1ヵ月あたり5,000~7,000円前後、ザガーロが1ヵ月あたり9,000~13,000円前後、ミノキシジルは3,800~9,500円前後と言われます。それにプラスして、初診料および再診料などが3,000~5,000円発生します。トータルで、毎月1.5万〜3.5万円の出費は覚悟したほうが良いでしょう。

薬の種類1ヵ月当たりの費用初診料及び再診料
プロペシア5,000~7,000円前後3,000~5,000円
ザガーロ9,000~13,000円前後
ミノキシジル3,800~9,500円前後

※表は横スクロール可能です

処方される薬の種類や分量は、クリニックによって違いがあります。相場の量および価格を十分チェックしましょう。

また、いずれもメリットやデメリット、副作用についてしっかり説明を聞きましょう。AGA治療は毛髪の発毛サイクルに合わせて行われるため、効果が出るのに少なくとも3ヵ月から半年以上はかかると覚悟しましょう。

生活習慣の改善、睡眠、育毛(シャンプー・マッサージ)など

身近な対策は、生活習慣の改善です。十分な睡眠や育毛(シャンプー・マッサージ)などが該当します。

睡眠は、成長ホルモンが分泌されやすい夜22時から深夜2時の就寝時間帯を意識しましょう。この時間帯にゆっくり眠ることで、ストレスや疲労が軽減され、毛髪の発毛も促せます。薄毛と睡眠の関係について、詳しくは「快適な睡眠で薄毛対策!理想的な睡眠環境とは?」でご覧ください。

シャンプーは、頭皮を指の腹でマッサージして皮脂をしっかりもみ出すことを意識しましょう。ただし、シャンプーは洗浄力が強すぎると、頭皮の潤いや健康をキープするための皮脂まで根こそぎ取り去ってしまい、頭皮にダメージを与えてしまいます。特に乾燥肌の方は要注意です。正しいシャンプー方法については、「シャンプーの仕方は考えている?正しい洗髪手順をご紹介!」から要チェックです。

前頭部の薄毛を目立たなくする方法と対策

人差し指を立てる笑顔の女性の写真

前頭部の薄毛は、後頭部の薄毛に比べて目立ちにくいです。その最大の理由は、前頭部の前髪を伸ばせば広いおでこを隠せるからです。また、髪にクセがあり、ウェーブがかかっている(天然パーマなど)場合は、より髪の生え際が判別しづらくなるでしょう。

M字ハゲを目立たなくさせる方法として、他にどのような対策があるのかを見ていきましょう。

ヘアカットで目立たなくする

最も手軽で安価な方法はヘアカットでしょう。髪を十分に伸ばし、おでこを見えなくした状態に合わせて全体のヘアスタイルを調整するだけです。

薄毛に詳しいスタイリストに薄毛の悩みを相談したり、細かく髪型のオーダーをしたりしたい場合は、薄毛専門美容室「スヴェンソン」などに足を運んでみると良いでしょう。ボリュームを出すカット、M字ハゲを目立たなくするカットも提供しています。

増毛/ウィッグ

最も即効性がある方法です。薄毛の部位を中心に、人工毛や人毛によるウィッグを付けてボリュームを出します。AGA治療のように発毛するのを待つ必要がなく、施術後すぐに見た目の変化を実感できます。スヴェンソンの編み込み式増毛法などは、常時取り付け、スポーツなども気兼ねなく楽しめます。

 

一方、地毛に人工毛などを結びつけてボリュームを出す「結毛法」は、おでこがもともと地毛のない部位であるため不向きです。接着剤を用いて頭皮にウィッグを貼り付ける増毛も、後頭部などに比べて接着面が目立ちますのであまりおすすめはできません。

まとめ:前頭部の広さは遺伝?薄毛の進行?

前頭部は遺伝で生まれつき額が広いだけなのか、薄毛が進行して額が広いのか分かりにくい部位です。心配な方はAGAクリニックなどで診察を受け、自分に合った対処法をしっかり考えていきましょう。

参考文献
https://ai-med.jp/contents/aga/article-22/
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000163.000013377.html
https://fujisawa-ekimae-agaclinic.com/growthfactor.html
https://scalp-d.angfa-store.jp/column/column016.html
https://www.womenshealth-tokyo.com/column/seborrheic_alopecia
https://www.aga-clinic.com/column/hair-loss-type/
https://www.clinicfor.life/articles/a-010/
https://www.josaiclinic-fukuoka.com/column/70
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