「ストレスと抜け毛は関係ない」のウソホント

「ストレスが原因で抜け毛になる」

こんなことを聞いたことがある方は多いでしょう。

ただ、ストレスと抜け毛の関係には科学的根拠がないと言われることもあります。

実際のところはどうなっているのでしょうか?

この記事では、現場で活躍している医師の先生の監修のもと、ストレスと抜け毛の関係について詳しく解説します。

形成外科一般、マイクロサージャリー、リンパ管吻合術、乳房再建術、性適合手術、美容外科手術、静脈瘤、レーザー治療など美容外科手術、レーザー、ボトックス、ヒアルロン酸等
大手美容外科クリニックで長年にわたり研鑽を積み、形成外科専門医として医師の診療、指導にあたっている。

※本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が具体的なクリニックや施術や商品等を推奨しているわけではございません。

「ストレスで抜け毛になる」はホント

手でマルを作る女性のイメージ画像

「ストレスは抜け毛の原因になる」とはよく言われますが、それは本当でしょうか?そうだとすると、なぜストレスによって抜け毛が発生するのでしょうか。

まずは、その理由を解説します。

なぜストレスで抜け毛になるのか?

単純に「ストレスで直接抜け毛になる」というよりも、ストレスによる身体面・生活習慣の変化が抜け毛につながる、という表現が正しいです。

自律神経が崩れると血行が悪化する

ストレスと自律神経には密接な関係があります。

自律神経とは、内外からの情報や刺激に対して、自動的に反応する神経です。体温や血行、消化、排泄などのあらゆる機能を無意識で調整しています。

ですが、ストレスによって身体に負担がかかると、自律神経に悪影響を及ぼし、無意識のうちにこれらが上手く機能しなくなります。

自律神経が調整しているものの一つに血液の巡りがあるのですが、自律神経が上手く機能しなくなると、食事などで摂取した栄養素や酸素が体内に行き渡りにくくなります。つまり、頭皮の毛細血管にも髪の毛の成長に必要な栄養が届きにくくなって、抜け毛に影響してしまうのです。

睡眠不足が続くと髪は成長しない

自律神経は、交感神経と副交感神経に分けられます。副交感神経は夜間に働き、身体をリラックスさせる役割があります。

ストレスにより自律神経が乱れて、副交感神経の働きが弱くなると、しっかりと睡眠を取れない状態に陥る可能性があります。

無論、睡眠は髪の毛にとって重要であり、睡眠時に分泌される成長ホルモンが髪の毛の成長には欠かせません。

とくに、夜10時~深夜2時の4時間が最も成長ホルモンが分泌されると言われています。つまり、この時間帯に十分な睡眠時間を確保することが髪の毛の成長に最も良いのです。

ストレスでなかなか寝付けず、睡眠時間がいつもバラバラになってしまうと、髪の毛が順調に成長せず抜け毛にもつながります。

ホルモンバランスが乱れる

ホルモンバランスの乱れとは、女性ホルモンと男性ホルモンの乱れを指します。

とくに女性ホルモンの「エストロゲン」には髪を健康に保つ役割があり、エストロゲンの分泌は髪の成長を活性化させます。

エストロゲンは40歳以降になると減少していくのですが、ストレスが溜まるとその減少が顕著になります。

とくに女性の方は、女性ホルモンが減少して男性ホルモンが増加すると薄毛の原因につながります。

特に10代、20代の抜け毛はストレスが原因

通常、抜け毛は加齢により細胞の働きが低下することで起こります。

しかし、多くはないものの10代〜20代の若い世代でも抜け毛で悩んでいる方がいます。

老化でないことは明らかですが、考えられる原因の一つはやはり「ストレス」です。

受験や仕事によるストレスが抜け毛を招くというのは珍しくありません。

ストレスが原因の抜け毛

それでは、ストレスが原因と言われることが多い抜け毛の種類を紹介します。

休止期脱毛症

休止期脱毛症のイラスト画像

人間の髪の毛は自然に抜けて、また新しい毛髪が生える「ヘアサイクル」が行われています。

通常、髪の毛は約3~6年の期間で「成長初期」→「成長期」→「退行期」→「休止期」という流れで生え変わっていきます。

ヘアサイクル(毛周期)のイメージ図

ですが、成長期の毛髪が急に休止期に入ってしまうことがあります。そうして起こる脱毛が「休止期脱毛症」です。

もちろん、ヘアサイクルが乱れる原因はひとつではありませんが、過度なストレスによっても抜け毛が起こると言われています。

抜毛症

抜毛症のイラスト画像

抜毛症とは「抜毛癖」とも呼ばれ、自分自身で髪の毛を抜いてしまう精神疾患の一種です。

精神疾患ですからストレスとも大いに関係があります。衝動的に、無意識のうちに髪の毛を抜いてしまうのが抜毛症の恐いところです。

ストレスとの関連性が指摘される抜け毛

これまでも述べた通り、ストレスは頭皮環境が悪くなる要因となります。

ここでは、ストレスが直接の原因という科学的根拠は先の2つよりも乏しいものの、関連性が指摘されている抜け毛を紹介します。

男性型脱毛症(AGA)・女性のAGA(FAGA)

AGA(男性型脱毛症)とFAGA(女性男性型脱毛症)のイラスト画像

「AGA」はテレビCMなどでもよく聞きますが、成人男性によくみられる症状です。頭頂部や生え際、前頭部から徐々に抜け毛が進行します。

また、FAGAは「女性のAGA」とも言われ、とくに40〜50代の壮年期に起こるケースが多いです。分け目や生え際が薄くなる特徴があります。

一般的には遺伝や男性ホルモンの影響が大きいと考えられていますが、ストレスが睡眠不足や食生活の乱れをもたらし、髪に良くない環境を作ることでも起こりえます。

円形脱毛症

円形脱毛症のイラスト画像

髪の毛の抜け方はAGAとも似ていますが、円形脱毛症は短期間で急激に薄くなるのが特徴です。

「10円ハゲ」と言われるのも円形脱毛症の一種であり、単発で発症します。

円形脱毛症になる原因は自己免疫疾患やアトピー性皮膚炎などがあるとされていますが、ストレスとの関連性も指摘されています。

精神的なストレスが自己免疫疾患の引き金となり、円形脱毛症を発症する可能性があるといわれています。

ストレスによる抜け毛の特徴:3ヶ月後に症状が出る

ストレスを受けた時期と実際に髪の毛が抜ける時期には時差があり、一般的に3ヶ月程度と言われています。

先ほどご紹介したとおり、正常な髪の毛は約3年〜6年のサイクルで「成長初期」→「成長期」→「退行期」→「休止期」を経て抜け落ちます。

精神的なストレスを受けると、成長期にいた髪の毛のヘアサイクルがぐっと縮まって退行期や休止期に移行していきます。この「退行期」と「休止期」の合計期間がおよそ3〜4ヶ月となっているため、このようなタイムラグが発生するのです。

【アンケート調査】ストレスが原因で抜け毛が増えた実感はありますか?

アンケート調査で「Yes」にチェックを入れるイメージ画像

現在抜け毛が気になるという20名を対象に、「抜け毛が増えたのはストレスが原因だと思いますか?」というアンケートを取りました。

結果は、12名(60%)が主な原因はストレスだと思うと回答、残りの8名(40%)もストレスも関係がありそうという回答でした。

ストレスが原因だと思うと回答した人の声をいくつか紹介します。

半年くらい前から抜け毛が気になり始めました。その頃から会社の上司からパワハラがとても酷く、 我慢してストレスを溜め込むようになっていました。私は現在も抜け毛は改善されていませんが、知り合いは仕事のストレスで円形脱毛症と抜け毛が酷かったらしいですが、他の会社に転職したらすっかり治ったそうです。

愛知県・男性/32歳

 

30代後半くらいから抜け毛が気になるようになりました。髪の毛を洗ったら、一晩で排水溝が詰まるぐらいです。その時はPTA役員に選ばれて、心身ともに疲労してました。生理も2ヶ月ほど来なかったし。役員に慣れたころ、抜け毛が気にならなくなりました。

兵庫県・女性/45歳

 

去年の3、4月くらいからマンションの近所宅でイス?テーブルを引きずるような音が夜中、朝方、日中を問わず聞こえてくるようになりました。他の近所の方々も眠れない、などと管理会社に訴えています。注意のビラを入れたりしてくれて前よりはましですが眠れなくなり不眠症になり、気づいたら円形脱毛症になっていました。

東京都・女性/52歳

 

あくまでも回答者自身の見解ですが、ストレスとそれによる生活習慣の変化が抜け毛に繋がっているという実感を持っている方が多いようです。

外的ストレスも抜け毛の原因

空から降り注ぐ太陽光(紫外線)のイメージ画像

「ストレス」といっても、精神的ないわゆる“内的”なものばかりではありません。外的なストレスも抜け毛の原因になることがあります。

紫外線は髪と頭皮へダメージを与える

紫外線というと肌へのダメージを考えがちですが、当然髪の毛や頭皮にもダメージを与えます。そのダメージは、顔の5倍にも及ぶとも言われています。

髪の毛や頭皮が紫外線を受けて日焼けをすると、変色するだけでなく、頭皮に「酸化ストレス(過酸化水素など)」が発生します。この酸化ストレスによって、髪の毛の成長に必要な役割を果たしている「毛包幹細胞」が機能しなくなってしまうと、抜け毛・薄毛になってしまうのです。

とくに紫外線が強くなる春先から夏の時期は、直射日光は極力避けましょう。UVカットの効果があるスプレータイプのトリートメントを使用するのもおすすめです。

染髪やアイロン、髪型がストレスになることも

頭皮に負担をかける髪型のイメージ画像

髪を染めたり、ワックスやヘアスプレー、ヘアアイロンを使い過ぎたりすると髪の毛や頭皮にダメージを与えることになります。

また、頭皮に負担をかけるような髪型も抜け毛の原因になります。頭皮の同じ箇所に負荷がかかるような髪型は良くありません。

ストレスによる抜け毛を改善するには?

ストレス発散のために運動をしている男女のイメージ画像

冒頭で説明したように、ストレスによる抜け毛の主な原因は下記の3つです。

・自律神経の乱れ

・睡眠不足

・ホルモンバランスの乱れ

ここからは、ストレスによる抜け毛を改善していく方法を紹介していきます。

自律神経の乱れは食生活から改善しよう

自律神経の乱れは寝不足や不規則な生活もさることながら、偏った食事からも引き起こされます。正常な働きを維持するために、まずはバランスのとれた食生活を心掛けましょう。

バランスのとれた食事とは、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルが過不足なく摂取できる食事です。なかでも、髪にはタンパク質、ビタミン、亜鉛などのミネラルが効果的です。

タンパク質・・・卵、肉、魚、大豆
ビタミン・・・にんじんやかぼちゃなどの緑黄色野菜
ミネラル・・・海藻、乳製品、甲殻類、ナッツ、長芋

 

ミネラルのなかでも、亜鉛はカニやエビなどの甲殻類やナッツ、卵に多く含まれています。

どうしても食事だけで上記の栄養を摂れないのであれば、サプリメントで補うのもいいでしょう。

食生活の改善に興味のある方は、髪の毛に良いとされる食材とメニューを解説した「育毛のための生活習慣改善!髪に良い栄養素を食材から効果的に取る方法」の記事もあわせてお読みください。

睡眠をしっかりとる

先述しましたが、髪の毛の成長には睡眠時に分泌される「成長ホルモン」が欠かせません。また、22時~2時の間に睡眠をとるのがベストです。

とはいえ、仕事などでこの時間帯に就寝するのが難しい方も多いでしょう。そういった方は、睡眠時刻や睡眠時間がバラバラにならないように気を付けましょう。規則正しい生活こそ、快適な睡眠をとるために重要です。

また、就寝前3時間はコーヒーなどのカフェインが含まれるものは避けて、スムーズに眠れるようにしましょう。

ちなみに、睡眠の質は部屋の温度や湿度などの「睡眠環境」にも大きく左右されます。日々の睡眠の質をもっと高めたい方は、「快適な睡眠で薄毛対策!理想的な睡眠環境とは?」の記事もあわせてお読みください。

ホルモンバランスは生活習慣の見直し&ストレス発散で整えよう

ホルモンバランスも先に説明した食生活や睡眠などの生活習慣を見直すことで改善できます。そして、何よりもストレスを溜めないことが大事です。

手軽にできるストレス解消法

ストレスの発散方法は人それぞれありますが、ここでは代表的な発散法を紹介します。

  1. 人と話す

自分の悩みを人に話すだけでも気持ちは楽になりますよね。また、人に話すことは思考を整理することにもなるので、モヤモヤとしたストレスを解消することにつながります。

  1. 運動をする

身体を動かすと気分がスッキリしますよね。とくに、ジョギングなどの有酸素運動は脳が刺激されて快適な気分になります。

人間はストレスを感じるとコルチゾールというホルモンが分泌されるのですが、有酸素運動をするとコルチゾールが分解されると科学的にも実証されています。

しかし、有酸素運動もやりすぎには注意しましょう。激しい運動をすると身体に大量の酸素が必要になり、身体を酸化させる「活性酸素」を作り出してしまうからです。活性酸素は老化の原因となります。

適度な運動を心掛けましょう。

ストレスに悩まされると体を動かすことも億劫になってしまうかもしれませんが、意識的に外に出て身体を動かしてみましょう。

まずは、特別な準備のいらない「早歩き(速足)」とジョギングから始めてみてはいかがでしょうか?ポイントは「すぐに始められる!髪コトが推せんする効果的な運動(前編)」で詳しく解説しています。

  1. 深呼吸をする

ストレスが溜まると呼吸は浅くなります。呼吸が浅いと、体内に酸素を十分に取り込むことができません。また、交感神経ばかりが優位になり、余計にストレスが溜まる悪循環になるのです。

おすすめは「腹式呼吸」で深呼吸をすること。下腹が膨らむようにゆっくりと深く鼻から息を吸い込み、口から息を吐きましょう。

  1. 気分転換の映画鑑賞、読書

笑う・泣くといった行為はストレスを和らげるのに有効です。とくに涙を流すと副交感神経が優位になり、リラックス効果があると言われています。

また、落ち着いて読書をするのも気持ちをリラックスさせる意味で有効です。映画を観たり本を読んだりして気分を変えてみましょう。

  1. 日光浴

日光浴は体内時計を調整する効果があります。実は人間の体内時計は24時間よりも少しだけ長く、正確ではありません。しかし、朝に日光を浴びると体内時計がリセットされ、24時間一定の生活リズムに調整されるのです。

また、日光を浴びると「セロトニン」という神経伝達物質が分泌されます。セロトニンには精神の安定、安心をもたらす効果があると言われています。

ただし、日光の浴びすぎは紫外線のダメージを受けてしまうので、肌が弱い方などは帽子を被るなど、気を付けましょう。

グッズを使って上手にストレスを発散

上で紹介したものだけでなく、自分なりのストレス発散法を見つけることも大事です。

最近はストレス発散グッズも充実していて、Amazonなどネット通販でも簡単に手に入ります。そういったグッズを使うのもいいでしょう。

  • 縄跳び

ストレス発散に効果的な「縄跳び」の商品例

引用:タニタ公式HP

先述したように、運動はストレス発散に効果的です。運動といっても、ジムに行くなど大袈裟なものである必要はなく、少し身体を動かすくらいでも十分です。

おすすめは縄跳びです。場所も取らずに手軽に行えますし、全身運動なので運動効果も高いです。

縄跳びは種類も豊富で、数百円で手に入れられるものから、消費カロリー計算機能などが付いたものもあります。自分に合ったものを選びましょう。

  • +d カオマル

ストレス発散グッズ「+d カオマル」

引用:KONCENT公式HP

こちらは手で握ることでストレスを発散できるグッズです。独特なさわり心地と握り心地でクセになります。パンチバックよりも場所もとらず、いつでも手軽に使えるのがいいですよね。

ここでご紹介したグッズの他にも、ストレス解消グッズはたくさん販売されています。気になる方はAmazonなどの通販サイトで探してみましょう。

正しいシャンプー、マッサージが効果的

外的ストレスとして、シャンプーのときに爪で頭皮を傷つけるなど日常で無意識に行っていることも抜け毛の原因になる可能性があります。

普段のシャンプーで髪や頭皮を傷つけないようにすることはもちろんですが、頭皮の血行を良くするマッサージなども効果的です。

頭皮のマッサージについて詳しくは「このツボが効く!薄毛・抜け毛対策に頭皮マッサージを!」で解説しています。

ストレスの抜け毛は「戻る」と思うことが大事

ストレスによる抜け毛で厄介なのは、その抜け毛自体がストレスになることです。

ストレスによる抜け毛でストレスを感じて、余計に悪化するという悪循環が起こりえます。

ストレスは精神的な要素が大きいので、「髪の毛は戻る・回復する」と思うことが大事です。

あまり悩み過ぎず、この記事で紹介した改善法を試してみてはいかがでしょうか。

参考文献
fa:sa(ファーサ)『ストレスは抜け毛にどう影響する?抜け毛の原因や自分でできる対策
医療法人昴会 野村医院『薄毛と睡眠不足の関係
わかこ皮ふ科クリニック『女性の抜け毛薄毛
病気スコープ『抜毛癖(ばつもうへき)
ウィメンズヘルスクリニック東京『【クリニック監修】女性なら誰にでもやってくる「更年期」は抜け毛にも要注意!
医療法人社団則由会『AGA(エージーエー)とは 薄毛抜け毛の原因と治療薬
AGAヘアクリニック『女性の薄毛、FAGA(FPHL)とは?
髪ナビ『ストレスを受けるといつ抜け毛になって現れるの?
美容院(美容室)5 SCENE AOYAMA『紫外線で髪は顔の5倍以上のダメージ
ドクターズファイル『不調の原因、自律神経失調症は 生活習慣の見直しから改善をめざす
リクナビNEXTジャーナル『【精神科医に聞く】あなたにピッタリなストレス解消法はどれ?上手なストレスとの付き合い方は?
本がすき。『そのままでは 「薄毛抜け毛」へまっしぐら!髪の紫外線対策してますか?
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